忍者ブログ
 介護サービスの現場に携わる者の視点から、実際に体験したエピソードや日頃何気なく思っていること、感じたこと、その他もろもろを綴って参ります。
Admin | Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 数日前、介護スタッフのイエローへ、居宅介護支援事業者への営業活動を提案した私。今日はそのことで、二人でちょっとした打ち合わせをしました。「現在の事業所のウリ(セールスポイント)を、もう一度きちんと整理すべき―。」と、営業前の事前準備の必要性を説く私に対し、うなだれて時折相槌をうつだけのイエロー。会話は不本意ながら、次第に一方的なものとなっていきました。

 3ヵ月前に入職した私の現在の肩書は、居宅介護支援事業者の管理者兼介護支援専門員ですが、前職でデイサービス事業に関わっていた為、通所介護事業の運営についてもアドバイザー的な役割を担っています。当初から所長やイエローに対して、“計画性”を重んじることを繰り返し訴え続けているのですが、なかなかイメージ通りに事が運ばない現状にもどかしさを感じ、イエローに向かってつい小言を述べたのでした。「いきなり立派なものを目指す必要など全くない。ただ、自分できちんと目標を設定して、その達成のために努力していかなくては、いたずらに時間を費やすばかりで、事業所もスタッフも成長しない。」と、至極当たり前のことを言っているだけなのに、イエローは俯いたまま―。仕方なく「怒らないから言ってごらん。」的なお母さんのような接し方に切り替えて、彼の本音を引き出そうと試みます。

 「自分はこうしたい!!という、何か具体的なアイディアがあるのか?それともどうすれば良いのか分からないのか?」と優しく問い詰め尋ねたところ、恐る恐る「後者」と答えるイエロー。(ちっ!!しょーがねえなあ・・・)と思いつつも、煮詰まっている相手を責めても逆効果と思い、「一日」「週間」「月間」・・・「年間」と、先ずは「計画表」を作成するよう命じアドバイスしました。「初めは大部分が空白でも構わないので、叩き台となるようなものを用意して、お互いアイディアを出し合って徐々に空白部分を埋めていこう。」ということで一致。更なる中身の充実に向けて、再出発を図ることを確認し合ったのでした。

 事業所が小規模であるほど、スタッフの人数が少ないこともあり、仕事上の悩みを他者と共有できずに、独りで抱え込んでしまう危険をはらんでいるような気がします。スタッフ間の日頃のコミュニケーションって、本当に大切ですね。
PR
 “レクリエーション”という検索ワードで、このブログを訪れる方が時々いらっしゃるようなので、かつてレクの教材を作成する際に使っていた“ちょっとした技”をご紹介します。
 
 今ではすっかりお馴染みとなった「なぞり書き」、本屋さんを覘いてみると、百人一首や随筆などの古典文学から、般若心経や漢詩といった漢文ものまで、実にありとあらゆる“なぞり書き本”が、所狭しと並んでいます。「脳の活性化に良い。」などといった触れ込みで、「なぞり書き」が注目されるようになったのは、今から2・3年前。以前ご紹介した「学習療法」と同様、その効果については十分な検証の必要があると思いますが、それはさておき、単純にご利用者に集中して打ち込んでもらえるプログラムとしては、利用価値が高いのではないでしょうか?
 
 市販の“なぞり書き本”を購入して使うのも良いのですが、コピー機で複写を試みると、薄く印字されたなぞり書き部分が思い通りに再現出来なかったり、書籍を複写して利用すること自体、著作権的にどの程度まで許されるものなのか?といった懸念があります。
 
 そこで思いついたのが、「青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)」を活用すること。ご存知の方も多いとは思いますが、著作権の消滅した文学作品を、テキスト形式と XHTML(一部は HTML)形式でそろえているサイトです(別に当ブログと名前が似ているからご紹介している訳ではありませんよ)。著作権を気にせずに使用出来る作品が豊富にあるのですから、ここからなぞり書き用の素材を自由に選ぶことが可能です。
 
 素材を選んだら、加工はご自由に。例えば文章を適当にコピーしてWordに貼り付け、文字のサイズや書体、色(なぞり書きに使用するのであれば、灰色系)などを必要に応じて変更すれば、オリジナル教材も比較的容易に作ることが出来ます。レクのネタにお困りの方は、一度お試し下さい。

blog20080422.jpg














(写真:あおぞらデイサービスセンターオリジナル“なぞり書き”教材)


(関連記事)
学習療法 (2008/03/14)

 今日のお昼は、お好み焼を作りました。ご利用者に春を感じて頂こうと、介護スタッフのイエローが選んだ食材は、
blog20080416-02.jpg












 

 ずばり“菜の花”!!前もってさっと茹でています。お好み焼の具材としてはいまひとつピンときませんが、果たしてどうなることやら・・・。

イエロー焼~春~(菜の花のお好み焼)の作り方(高齢者3名分)
blog20080416-01.jpg(材料)
・お好み焼き粉200g
・水200ml
・キャベツ1/4カット
・豚バラ肉100g
・桜エビ30g
・菜の花1束








blog20080416-03.jpg①お好み焼き粉と水をボールに入れ、かき混ぜます。













blog20080416-04.jpg②細かく切ったキャベツを入れて、またかき混ぜます。













blog20080416-05.jpg③桜エビを入れて、またまたかき混ぜます。













blog20080416-06.jpg④200℃前後に熱したホットプレートの上に薄く敷きます。油は使用しませんでした。












blog20080416-07.jpg⑤今回のポイント、“菜の花”を上に載せていきます。どうでもいい事ですが、デジカメの「顔検出機能」が働きました。












blog20080416-08.jpg⑥その上に、更に豚のバラ肉を載せます。













blog20080416-09.jpg⑦裏側に焼き色が着いているのを確認して、慎重にひっくり返しましょう。


















blog20080416-10.jpg⑧食べやすい大きさに切って、文字通りお好みで、ソース・マヨネーズ・かつおぶしをかけて召し上がれ。












 今回は私も食べさせてもらったのですが、何というか普通にお好み焼でした。意外とご飯のおかずとしてもイケましたよ。

 それにしても“菜の花”は何処へ?

(関連記事)
イエロー鍋 (2008/03/18)

 今日のお昼はお鍋をしました。デイサービスセンターで鍋料理をお出しするのは珍しいことかと思いますが、なんせ“家庭的な雰囲気”をウリにしているくらいですから、ご利用者に喜んで頂けるのだったら、こういった試みも有りなのかもしれません。介護スタッフの通称イエローが、前日に自ら作って試食した上で本番に臨んだ“イエロー鍋(豆乳鍋)”をご紹介します。
 
イエロー鍋(豆乳鍋)の作り方(高齢者2・3名分)
blog015.jpg(材料)
・豆乳600CC
・こんぶだし400CC
・鶏の胸肉300g
・油揚げ2枚
・椎茸3個
・白ネギ3本
・水菜1把
・生玉子2個
 







blog016.jpg① 
お鍋に豆乳を注ぎ入れ、中火から弱火で煮ます。蓋をして沸騰するのを待ちましょう。














blog017.jpg② 
5分程で表面に湯葉が完成、先ずはポン酢をつけて召し上がって頂きます。














blog018.jpg③ 
こんぶだしを注ぎ入れ、沸騰するまで待ちます。














blog019.jpg④ 
鶏の胸肉を入れます。個人的には豚ロースの薄切りなどでもいいと思います。














blog020.jpg⑤ 
細切りにした油揚げを入れます。















blog021.jpg⑥ 
野菜(椎茸・白ネギ・水菜)を入れ、蓋をして数分待ちます。野菜はえのきや白菜、大根や人参を入れても美味しいと思います。














blog022.jpg⑦ 
豆乳鍋の出来上がり。ポン酢をつけて(または垂らして)召し上がれ。














blog023.jpg⑧ 
お鍋の具を食べた後は、お約束の雑炊です。ご飯の上にお鍋の残り汁をかけて、お好みでポン酢で味付けするだけでも、十分イケます。
 
 


 
 



 

 ご利用者のお一人は、「複雑な味ねえ。ほんとに複雑な・・・。」という感想を何度も口にしながら、繰り返しお鍋の名前を尋ねてありました(イエロー鍋(仮称)です)。褒められているのか貶されているのかよく判りませんが、おかわりをされたということは、まんざらでもなかったのだと思います、多分。
 
 何年か先に、イエローが自分のお店を出しているかもしれません。「黄連子屋」とかいう名前で―。


(関連記事)
・ジャンプ!!(2008/02/22)


 “学習療法”ってご存知でしょうか?あの脳を鍛えるゲームソフトでもお馴染みの教授が提唱している「音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、学習者と支援者がコミュニケーションを取りながら行うことで、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善を図る取り組み」なんですが―。
 
 「脳トレ」が注目され始めた今から3・4年ほど前、(これは面白いかも―。)とアイディアを拝借し、以前勤務していたデイサービスセンターでは、真似事ではありますがこの“学習療法”を採り入れておりました。基本的に使用する教材には、「学習者本人が楽に解答でき、100点がとれる内容で学習を開始し、また学習を継続することが可能であること」という要件があります。けれども一方で、「重度の認知症の方から、健常に近い方まで、幅広い個人差に個人別に対応可能な、学習の難易度のレベルが選択できる教材であること」という要件もクリアしなくてはならず、当初は市販の「音読・計算ドリル」を使用していたのですが、ある時期から施設独自の教材を作成して活用するようになりました。取り組みがどうにか軌道に乗ったのを見届けて私は退職。・・・そんな訳で、(新しい職場でも、使わない手はない。)と考え、先月から当事業所でも“学習療法”を実施しています。
 
 ある日、所長に「本当は“学習療法”の成果をきちんと検証・分析して 、ご利用者やご家族、担当のケアマネジャーさん等にも分かり易く提示出来る形を作りたかった。」と、前の職場でやり残した取り組みへの愚痴をこぼしたところ、その話に触発されてか、我々スタッフには何の予告もなく、あるご利用者に対して「FAB(前頭葉機能検査)」と「MMSE(認知機能検査)」というものをやり始めたのです(※もちろん、事前にご本人とご家族には了解を得ています)。
 検査の中身について詳しく触れると長くなりますので、ここでは割愛させて頂きますが、傍で様子を窺っていた私は、(はは~ん、今回の検査結果と“学習療法”後の検査結果を比較して、成果を立証するつもりだな・・・。)と静観しておりました。所長が頭の中で描いている「今回の結果はいまひとつで、“学習療法”後に成績が飛躍的に向上した」というシナリオを察しつつ、採点結果に注目すると―。

 ・・・成績優秀。全然良い点数。点になる所長の目。如何せん仕事柄「おばあちゃん、も少しボケて―。」などと言うわけにもいかず―。よこしまな企みとは裏腹な結末が、例え難い妙な空気をその場にもたらしたのでした。
 
 でも“学習療法”は、今後も継続していきます。いずれ皆さんに納得して頂ける「嘘・偽りのない成果」をお見せ出来る日を目指して―。


(関連記事)
・レクリエーション(2008/02/18)


カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新記事
最新CM
[07/26 tenbosenkaisha]
[03/08 みほ]
[01/04 miho]
[07/22 miho]
[05/13 前田竜徳]
最新TB
バーコード
プロフィール
HN:
Daibutsu
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/01/02
職業:
介護支援専門員
趣味:
瞑想
自己紹介:
大仏です。拝みなさい。
ブログランキング
ブログ内検索
アクセス解析
記事別アクセス解析
あし@
カウンター
RESEARCH ARTISAN
“α”アップデートティッカー
お気に入り
介護福祉ピープル
評価
Blog People Link List
介護保険関連
忍者ブログ [PR]

Designed by