介護サービスの現場に携わる者の視点から、実際に体験したエピソードや日頃何気なく思っていること、感じたこと、その他もろもろを綴って参ります。
“学習療法”ってご存知でしょうか?あの脳を鍛えるゲームソフトでもお馴染みの教授が提唱している「音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、学習者と支援者がコミュニケーションを取りながら行うことで、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善を図る取り組み」なんですが―。
「脳トレ」が注目され始めた今から3・4年ほど前、(これは面白いかも―。)とアイディアを拝借し、以前勤務していたデイサービスセンターでは、真似事ではありますがこの“学習療法”を採り入れておりました。基本的に使用する教材には、「学習者本人が楽に解答でき、100点がとれる内容で学習を開始し、また学習を継続することが可能であること」という要件があります。けれども一方で、「重度の認知症の方から、健常に近い方まで、幅広い個人差に個人別に対応可能な、学習の難易度のレベルが選択できる教材であること」という要件もクリアしなくてはならず、当初は市販の「音読・計算ドリル」を使用していたのですが、ある時期から施設独自の教材を作成して活用するようになりました。取り組みがどうにか軌道に乗ったのを見届けて私は退職。・・・そんな訳で、(新しい職場でも、使わない手はない。)と考え、先月から当事業所でも“学習療法”を実施しています。
ある日、所長に「本当は“学習療法”の成果をきちんと検証・分析して 、ご利用者やご家族、担当のケアマネジャーさん等にも分かり易く提示出来る形を作りたかった。」と、前の職場でやり残した取り組みへの愚痴をこぼしたところ、その話に触発されてか、我々スタッフには何の予告もなく、あるご利用者に対して「FAB(前頭葉機能検査)」と「MMSE(認知機能検査)」というものをやり始めたのです(※もちろん、事前にご本人とご家族には了解を得ています)。
検査の中身について詳しく触れると長くなりますので、ここでは割愛させて頂きますが、傍で様子を窺っていた私は、(はは~ん、今回の検査結果と“学習療法”後の検査結果を比較して、成果を立証するつもりだな・・・。)と静観しておりました。所長が頭の中で描いている「今回の結果はいまひとつで、“学習療法”後に成績が飛躍的に向上した」というシナリオを察しつつ、採点結果に注目すると―。
・・・成績優秀。全然良い点数。点になる所長の目。如何せん仕事柄「おばあちゃん、も少しボケて―。」などと言うわけにもいかず―。よこしまな企みとは裏腹な結末が、例え難い妙な空気をその場にもたらしたのでした。
・・・成績優秀。全然良い点数。点になる所長の目。如何せん仕事柄「おばあちゃん、も少しボケて―。」などと言うわけにもいかず―。よこしまな企みとは裏腹な結末が、例え難い妙な空気をその場にもたらしたのでした。
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笑わせていただきました!
こんばんわ~
『そこボケるとこだし』っていう発想に笑っちゃいました!
おばあさんって昔のことは覚えてらっしゃるので
問題次第では基礎学力で解答されちゃうのですかね~
どんな事を対象に調査し成果が出すのかは謎ですが
何かがわかることはすばらしいことだと思います。
待ってますね~
『そこボケるとこだし』っていう発想に笑っちゃいました!
おばあさんって昔のことは覚えてらっしゃるので
問題次第では基礎学力で解答されちゃうのですかね~
どんな事を対象に調査し成果が出すのかは謎ですが
何かがわかることはすばらしいことだと思います。
待ってますね~
Re:笑わせていただきました!
学習療法は注目されている一方で、効果に関しては疑問の声もあるようです。盲目的に傾倒するのもどうか?という躊躇から、オチをつけさせて頂きました。
ただ単純にスタッフとご利用者間のコミュニケーションツールとして考えれば、十分活用する意義があると思っています。
ただ単純にスタッフとご利用者間のコミュニケーションツールとして考えれば、十分活用する意義があると思っています。
無題
勉強になりました。
Re:無題
勉強だなんて、そんな・・・。
うちの事業所でやってることなんて、所詮紛い物ですから―。
うちの事業所でやってることなんて、所詮紛い物ですから―。
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