失われた声

　思いがけず体調不良が長引き、しばらく更新が出来ずにおりました。連日３８度代の発熱が続き、先週末に内科を受診。一応採血や尿検査もしてもらいましたが、ドクター曰く「症状からすると、“副鼻腔炎”ではないか？」とのこと。促されるがまま今度は耳鼻科を受診し、鼻から細いカメラを突っ込まれて「げえ、げえ。」吐き気をもよおしながら、拷問のような目に逢いました。

　晴れて“急性副鼻腔炎”と診断され、休みの間中自宅にて静養。ようやく熱が治まってきたので、今週からどうにか職場に復帰していますが、痰が絡んで呼吸がしづらいのと、ロキソニン（解熱消炎剤）を服用しているせいか、胃の不快感と下痢に悩まされ、依然として具合が悪いことに変わりはありません。今朝、職場で挨拶をしようとして、ほとんど声が出せなくなっていることに気付き、焦ってしまいました。

 

　そんな調子なので昼食は摂らないでおこうと、朝奥さんに断って弁当を持って行かなかったのですが、お昼が近づくにつれ、何処からともなく食欲をそそるいい匂いが漂ってくるではありませんか！？匂いに誘われて現場に顔を出してみれば、最近料理に目覚めた介護スタッフのイエローが、“きのこカレー”を作っていたのでした。少し恵んでもらおうと、しきりにイエローにアイコンタクトを試みますが、全く気付いてもらえず。刺激された食欲を抑えるため、独りで外に食べに行くことにしました。

 

　（消化に良いものを―。）と近場のうどん屋を探しますが、昼休みの書き入れ時とあって何処も車が停められないほどの大賑わい。結局うどんはあきらめ、ウロウロしていて偶然目に留まった某ファーストフードのドライブスルーを利用することにしました。ところが注文する段になって、重大なことに気が付きます。

 

店員：「ご注文がお決まりでしたら、マイクに向かってどうぞ。」

    私：「・・・。」

店員：「お決まりでしょうか？」

    私：「あ・・・、が・・・。」

店員：「すみません。もう一度お願いします。」

    私：「や・・・、も・・・。あぁ！！」

店員：「・・・はい？」

    私：「うがあぁぁぁぁぁ！！」

 

　声が出ないことをすっかり忘れていたのです。やっとの思いで絞り出した“桂銀淑”ばりのハスキーボイスで、“チーズ照り玉バーガーのスペシャルセット”を注文するも、やはりちゃんと通じていなかったようで、ナゲットのソースが間違って入っていました。

　清々しい新年度の幕開けです。